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#3568 Orchid Vase
高いクオリティを追求したものが時代遅れになることは無く、クオリティを追及する努力が裏切られることは無い。
プログレッシブな哲学を持ち続け、人々の日常を明るく照らし続けるイッタラ。
そんなイッタラを支え、世界的名声を得る立役者の一人となったアーティストがいました。
本日は、フィンランドデザインを世界中に知らしめた名品「Orchid Vase」を紹介させていただきます。
形のないオブジェ
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フィンランドはヘルシンキ出身のアーティスト、ティモ・サルパネヴァ。
1950年代はじめに、ガラスという素材に魅せられたサルパネヴァがイッタラ社でデザインし製作されたのがこのオブジェ#3568、愛称「オーキッド」でした。
一輪挿しとしてデザインされたオーキッドはその名の通り蘭(Orchid)の花を生けると一層印象的なオブジェとなります。
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イッタラとの長いコラボレーションを通して、イッタラスタイルの証ともいえる作品を作り上げてきた貢献者として知られているサルパネヴァ。
シンボルである「i」のロゴをデザインしたのも彼でした。
デザイナーであり、彫刻家であり、教育者でもある彼の先駆的なガラス作品は、芸術と実利的デザインが融合されたものがほとんど。
工業デザインを手掛けながらもそれらを高級で芸術的に考案し続けた彼は、自分自信をデザイナーというよりもアーティストとして見ていました。
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「神秘的で魔法のよう。従来の立体デザインから解放され四次元に連れていかれた。」
陶器、鋳物、テキスタイルなどの素材やグラフィックアートまで幅広く手掛けたサルパネヴァはガラスの深さに魅了されました。
彼はイッタラのガラス職人とともに、ガラス製造の新しい方法を探ることに。
その方法の一つに、ガラス内に球形の空間を吹き付けるのではなくガラスの塊に湿った棒を突き出すことで作成する『湿式棒法』がありました。
熱い塊との接触により、水が蒸発し、蒸気がガラスに空洞を吹き込むのです。
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1954年にミラノ・トリエンナーレでグランプリを受賞した彼の代表的作品はこうして誕生しました。
「ガラスは“空間の材質”なので光にかざすには最も適した素材 」と遺したサルパネヴァ。素材自体の美しさを表現したのがオーキッドでした。
液体のようであり空気のようでもありアートとしてのエネルギーをも持ち合わせたオブジェは他に類を見ない傑作とも称されます。
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デザインの先駆者としてフィンランドデザインを一躍有名にしたティモ・サルパネヴァ。
アメリカの名インテリア誌「House Beautiful」は、オーキッドを一年で最も美しいオブジェとして評価しました。
パッケージデザインをも手掛けた彼の作品のパッケージには大きくTIMELESS DESIGNと記されていました。
素晴らしいものは時代を超える。
完成から半世紀以上経った現在まで愛され続けるのは、サルパネヴァの美に素直なデザインとイッタラの物作りに対する哲学が起こした化学反応故なのかもしれません。
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ずっしりとした重厚感と透明感溢れるガラスの雫のようなシルエット。
光が入り込みオーキッド自体の輪郭がぼやける時、サルパネヴァが魅了されたガラスの深さを感じることが出来ます。
現代ではあらゆる場所で使われている身近な素材、ガラス。
それに魔力を感じ手に取った彼はデザイナーではなく紛れもないアーティストでした。
現在では非常に入手が難しく中々お目にかかれない逸品。
永年お探しだった方も多いのではないでしょうか。
自由が丘店にて展示しておりますので、お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さいませ。