Isamu Noguchi
Cyclone Table
イサム・ノグチの作品には、日本的な美意識を感じるというか侘び寂び感が漂うというか。
言葉にするとうまく説明ができないのですが、日本人の心に響く何かがあって嫌いな人はいないんじゃないかと思うほどです。
今回は、コーヒーテーブルやAKARI(アカリ)に隠れた名作。ダイニングテーブルです。
浮遊感は揺らがない
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その形状からサイクロンテーブルとして知られる「ノグチダイニングテーブル | NOGUCHI DINING TABLE」。
つむじ風を意味するサイクロンのように放射状に伸びるワイヤーにちなんでそう呼ばれているわけですが、ぴったりすぎるネーミングです。
大気が渦巻状に立ち上るように、天板が空気によって持ち上げられているように見えるデザイン。
同じフォルムをしたロッキングスツールのバリエーションとして、Knoll(ノル)の創業者であるハンス・ノルに助言を受けて制作されました。
しかも、ベルトイアコレクションを完全体にするためのアドバイスだったそうです。まさにベルトイア補完計画。
確かにワイヤーを効果的に使った家具という点においてワイヤーチェアに通じる佇まいですし、相性が良くないはずがありません。
でも、今回合わせたのはサイドシェルチェア。ただ時間差でそのワイヤーチェアが経堂店にやってきたので一緒にコーディネートした写真を撮ればよかった。
もちろんミッドセンチュリーの雰囲気ならこの組み合わせも間違いなしなのですが、ここへきて後悔の念が押し寄せています。
なお、ゆらゆら揺れるスツールに対し、このテーブルはもちろん揺れることはありません。
形状はそのままに、ベースを重量のある鉄の塊にすることで安定した揺るぎのない浮遊感を実現しています。イサムノグチ自身も使っていたそうです。
サイズやカラーなど、さまざまな仕様で展開されるサイクロンテーブル。ホワイトメラミン天板は、中でもスタンダードなモデルかもしれません。
白、シルバー、ブラックと側面に少しだけ見える積層合板のナチュラル色が作り出すのは、ザ・ミッドセンチュリーの空間。
そして彫刻的な佇まいが生み出す空間の陰影にこそ、イサムノグチらしさが宿るような気がします。ぜひオブジェのように実用したい1台です。