Ercol
Bowback chair
格式高いアンティーク家具やミッドセンチュリー期に流行した北欧デザインなど、重厚でといった印象を持ちがちな英国家具。
中でもビンテージのアイテムとなれば、住環境やコーディネートから取り入れづらいのかな...と思ってしまうことも。
しかし、今回ご紹介するアイテムはイギリスの長い家具づくりの歴史の中でも軽やかで繊細かつ、暮らしに寄り添った素朴なデザインが嬉しい一脚です。
暮らしに寄り添う素朴なUKビンテージ
1920年にイタリア出身の家具デザイナー"ルシアン・アーコラーニ Lucian R. Ercolani" によって設立された家具メーカー"アーコール ERCOL" 。
堅牢な木材をスチームで湾曲させる木工技術を確立し、今では英国を代表する家具メーカーとして本国イギリスのみならず世界中で愛され続けています。
こちらはそんなアーコールのボウバックチェア。
弓なりに弧を描いた背もたれからボウバックと呼ばれるようになったこちら、その形状から扇や櫛に見立ててファンバックやコームバックとも呼ばれています。
繊細でスッキリとしたデザインが素朴な風合いのこちら、曲木技術を活かした背もたれや両端を絞ったフレームの造形など、随所にアーコールならではの意匠が散りばめられています。
また、座面は板座となっているものの、身体のラインに合わせて削り込んだ「座繰り」
が施されており、板座とは思えないほどにフィット感のある掛け心地に仕上げられています。
1950年代から70年代にかけて製造されたボウバックチェアですが、アーコールのビンテージチェアと言えば用いられている木材の種類も見逃せません。
現行のアーコール製品がアッシュ材を用いているのに対して、ビンテージのチェアはフレームにビーチ材、座面にはより堅牢なエルム材を使用しており、力強く特徴的な杢目が見て取れます。
今回入荷したのは背もたれのスポークが5本のモデル。
製造された年代によって同じモデルのチェアでもスポークの本数は3本や4本、あるいは6本とまばらになっており、その違いからコレクションとしての希少価値もあると言われています。
ビンテージならではの味わいにあふれるアーコールのボウバックチェア。
木の風合いを活かした素朴なデザインで、ナチュラルな北欧スタイルやアンティークスタイルなど、幅広いインテリアコーディネートに取り入れやすい一脚。
軽やかで温かみのある、親しみやすさが魅力の英国家具をぜひこの機会に。