Artek
Stool 60
イームズのチェアと並んで、最も模倣された家具の一つがスツール60ではないでしょうか。
言ってしまえばどうってことのないスツール。
実家の踏み台?ラーメン屋の待合席?誰もがどこかで見た事あるこのカタチは、見慣れ過ぎて当たり前のものとなってしまいましたが、アルヴァ・アアルトの度重なる実験によって、やっと実現できた苦労の産物なのです。
試行錯誤の末に辿り着いたカタチ
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アルヴァ・アアルトは家具や個人の邸宅のほか、パリ万国博覧会におけるフィンランド館のプロデュースなど、幅広く活動していたフィンランドを代表する建築家です。
昨年、東京駅構内で開催されたアアルト展に行かれた方も多いと思いますが、キャリア初期の曲木レリーフやアアルトベースの製造に実際に使われていた木枠などなど、歴史的にも貴重な展示物が目白押しで素晴らしい企画展でしたね。
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Artekの由来はArtとTechnology、つまり芸術性と技術力の融合を意味する造語です。アアルトのもの作りの精神を端的に表した素敵なブランド名だと思います。
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木を曲げることで生まれる可能性。ある種憑りつかれたかのようにアアルトが取り組んだ命題です。
L-レッグと呼ばれる、無垢材に切れ込みを入れ、そこに薄い木材を挟みつつ加圧することで直角に曲げる技法の確立は、アアルトの家具作りの基盤となりました。
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何度も失敗を重ねながらも曲木にこだわったのには理由があります。それはアアルトの母国フィンランドは良質なバーチ材の宝庫だから。
フィンランドのような寒い地域の木は、ゆっくりと時間をかけて成長することから、しっかり目の詰まった高い剛性を誇る材質となります。そういった木材は当然家具の素材としてはうってつけで、アアルトの目に留まったのは想像に難くありません。
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鉄であれば比較的加工や量産がしやすかったにもかかわらず、郷土の自然を愛していたからこそのチャレンジが実を結んだのがこのスツール60なのです。
人々の生活に根付き、当たり前の存在となったこのカタチも、パイオニアの努力の結晶で生まれたれっきとした“作品”。
久しぶりに学芸大学店に入荷しましたので、ぜひ店頭まで見に来てくださいね。