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pirkka chair
桜のつぼみは色付き膨らみ、昨日今日で関東のソメイヨシノも咲き始めています。自分の住まいの周りにも雑草と呼ばれる緑の中に小さな黄色い花を見かけ、春の色を様々なところで見かけるようになり嬉しいトリスです。これで花粉がなければ、、、!!と思わずにはいられないのが花粉症持ちの悲しい性でございます。
人が暮らしていく中で、季節に寄り添った存在である植物。植物の種類によっても異なりますが、春に芽吹き、夏に茂り、秋に枯れ、冬に耐えるという一年のサイクルは人の遺伝子の奥底に刻み込まれており、その掛け替えのなさは言うまでも無く価値のあるものです。
今回ご紹介するのはそんな植物の木を用いて、更にデザインでも「木」を感じさせる名作チェアです。最後までお付き合い頂ければ幸いです。
木の梢
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こちらはピルッカチェアと呼ばれる椅子。フィンランドのデザイナー、イルマリ・タピオヴァーラによるもの。モダニズム建築を語る上では外す事の出来ない名デザイナー、ル・コルビジェの事務所での勤務をはじめアルヴァ・アアルトへの師事、ミラノトリエンナーレの金賞受賞など、着実にキャリアを積み重ねてその名を残した巨匠です。
名作と呼ばれ人気が高い彼の作品には椅子が多く、竪琴のようなスポークバックが美しいファネットチェア、首都ヘルシンキにある学生会館、ドムス・アカデミカのために設計されたドムスチェア等に並び挙げられるのがこのピルッカチェアです。
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タピオヴァーラの特徴として、木の質感を感じる事の出来るデザインがあります。均等な端正さを持ちながら、柔らかく温かな存在を放つかたち。中でもピルッカチェアは1脚でも森林の雰囲気を持ち込んだような印象を受けます。
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先端は梢の先のような繊細さでありながら、中心部は太くする事で強度や安定感を加えています。この形状はエンタシスと呼ばれ、ギリシャのパルテノン神殿や法隆寺などにも用いられるような歴史あるもの。
またバックレストを繋ぐ背束は座面を貫き、アスファルトを貫く草花のような自然物の力強さを感じさせます。貫として加えられた小さなパーツは幹から分かれた枝の意匠でしょうか。
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パイン材の座面とバーチ材の脚部はコントラストが効き、木味だけになりがちな椅子にポップさをミックスしています。
こちらの色味は現在Scopeでの別注品と同じブラウン×ハニーのカラーリングであると思われ、現在アルテックでは取り扱いが無いことを考えると、中々入手が難しい1脚。
様々な魅力的な要素が詰まった愛される1脚です。
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様々なインテリアがが溢れ発信されている中で、人と切り離せない自然とのつながりを大事に感じるコーディネイトにこの椅子はよく見かけます。
人が生活の為に形づくった家具でありながら、自然そのものの雰囲気を感じさせる不思議な椅子。是非ともお手にとって感じて頂きたいと思います。
現在学芸大学店で展示しておりますので、お近くの方は是非お立ち寄りくださいませ。