Artek
Chair66
時間と労力が掛かった物の方が与える印象はずっと強いはず。
例えば豪華な装飾が施された建築物はそれだけで感動しますし、料理は手間暇かけた方が断然美味しくなります。
当然家具もそうに違いない、北欧デザイナーの家具に出会うまではそう思っていました。
スツール60のち、チェア66
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本当に凄いのは、無駄を一切取り除いたデザイン。そしてそこに掛けた手間暇さえも感じさせない技術なのかもしれません。
このアルテックのチェアこそそう思うきっかけとなった一脚です。

こちらは20世紀を代表する北欧デザインの巨匠「Alvar Aalto アルヴァ・アアルト」が1935年に製作した「Chair 66 チェア66」。
「スツール60」に背もたれが付いてる。第一印象はまさにそんな感じでした。

代表作である「スツール60」はあまりにも有名ですが、その後に生まれたのがこのチェアです。
既に完成されたスツールのベースを活かしつつ、背もたれを付ける事によりゆったりと腰を預ける事ができます。

特に特徴的なのが背もたれのフォルム。滑らかな曲線を帯び、体のラインにフィットするように下部が大きくくり抜かれています。
さらにスツール60と少し異なるのが脚部の形状。顔とも言える「 L-Leg 」を後方に伸ばす事で座った時の重心を分散してくれます。

また、今回は深みのあるブルーグリーンカラーのNC生地が張られ、落ち着きがありつつも爽やかな印象を与えます。
木の座面とは違ったポップな雰囲気で北欧らさしさを感じられる仕様です。

既に完成されたものに手を加えるのはすごく勇気のいる事だと思います。
しかし、ベースがしっかりとしていればどんなにアレンジされようともデザインの本質は変わりません。
この「chair66」は’’蛇足’’ではなく一つの完成された’’一脚’’なんだと思います。
スツールもチェアもそれぞれアアルトの匠の業がなす名プロダクトです。
