artek
Stool60
家具のかたちはこうである。
変化しない人の形に対して作られた家具の形状はスタンダードとなり当たり前の形として存在し続けていました。
そんな中あるデザイナーは家具に“シンプル”の衝撃を与えそれを完成させてみせました。
それは新たなスタンダーととなることに。
本日紹介させて頂くのはフィンランドが生んだ20世紀を代表する名デザイナー、アルヴァ・アアルトが手掛けた名プロダクト。
アルテックのスツールを紹介させて頂きます。
シンプルの衝撃
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有機的なフォルムながら感じさせる素材特有の温もり。
デザインを手掛けたアルヴァ・アアルトはプロダクトデザインだけでなく、建築から家具、ガラス食器などの日用品のデザイン、絵画と幅広く活動していたことで知られています。
そんなアアルトが3人のデザイナーと共に始めたのが、北欧を代表する家具・照明メーカー、アルテック。
Art(芸術)とTechnology(技術)を掛け合わせ命名されたアルテックは現代まで、その名の通り素晴らしいプロダクトを作り続けています。
北欧の近代建築家としてもっとも影響力があるとされたアアルトは、モダニズムに対する人間的なアプローチで多くのデザインを手掛けました。
その代表として知られるのがこのスツールです。
近代建築に自然素材を取り入れることで温もりのある作品を手掛けたアアルト。
母国を愛し素材を活かした温かなデザインは家具にも反映されています。
脚に使われているのはフィンランド産のバーチ無垢材。
シンプルなデザインながらアアルトらしさである「シンプルの中にある温もり」感じさせる箇所でもあります。
この脚の加工法もアアアルトらしさを含んだポイントです。
Lレッグと呼ばれる柔らかな曲線を描く脚は、バーチ無垢材の上部に切り込みを入れ、薄い板を挟みし、加圧して曲げるという特殊な曲木技術で加工されたもの。
これはアアルトが試行錯誤を重ね生み出した、素材としての木材の可能性を大きく広げた革新的なものでした。
デザインだけでなく強度の面の実用性も叶える。
アアルトのデザイン哲学を十分に感じさせる重要な仕様です。
多くのスウェーデン人がフィンランド国内に住んでいた時代に生まれたアアルト。
フィンランドの異なる民族が共同で暮らすその時代だけの独特の雰囲気があったと言われています。
アアルト自身、そういった雰囲気の中で彼が受けた学校教育は彼自身の自我を形成するための大きな一因であったと語っています。
その環境があったからこそ、彼は今までにない新しいデザインを生み出せたのかもしれません。
極限までデザイン的なシンプルとそれらが最大限に引き出す素材感。
美しい調和はどんな空間にでも馴染んでくれます。
「機能性と実用性、シンプルな美しさを兼ね備え、人々の生活をより良くし、美しく彩る。それがフィンランドデザイン。」
そう言われるようになったのは彼がフィンランドデザインの本質と歴史を一番に理解し形にできる才能を持ち合わせていたからではないでしょうか。
アアルトが削ぎ落しても本質は損なうことは無い。
存分に魅力を味わうことのできる逸品です。