Artek
Stool 60
フィンランド・ヘルシンキを拠点に、家具や照明、インテリアプロダクトを手掛ける家具ブランド「Artek(アルテック)」。
1935年、アルヴァ・アアルト、アイノ・アアルト、マイレ・グリクセン、ニルス=グスタフ・ハールの4人によって設立されました。
ブランド名は「Art(芸術)」と「Technology(技術)」を組み合わせたもの。家具を販売するだけでなく、芸術と技術を融合させながら、モダンな暮らしの文化を広めることを目的としてスタートしました。
現在では、フィンランドを代表する家具ブランドとして世界中で知られています。
シンプルだからこそ、素材が映える


そんなアルテックを語るうえで欠かせない人物が、建築家・デザイナーの「アルヴァ・アアルト」です。
20世紀を代表するフィンランドの建築家のひとりであり、建築だけでなく家具や照明など幅広いデザインを手掛けました。
木材の持つ自然な美しさを活かしながら、人の暮らしに寄り添う機能的なデザインを追求したアアルト。

その家具を象徴する技術のひとつが、フィンランド産バーチ材を使った「L-レッグ」です。
木材を曲げる技術を活かしたこの構造によって、シンプルでありながら強度を備えた家具を生み出しました。

今回ご紹介するのは、そんなアアルトの代表作である「Stool 60」。
1933年に発表された、アルテックを代表するスツールです。
丸い座面と3本の脚という、驚くほどシンプルなデザイン。
一見するととても素朴な家具ですが、そのシンプルさの中には、アアルトが追求した「美しさと機能性」が詰まっています。

3本脚という構造は安定性に優れ、さらに脚を座面へ直接取り付けることで、組み立てや持ち運びもしやすい設計に。
必要なときには椅子として、またあるときにはサイドテーブルやディスプレイ台として。
使う場所や用途を限定しない自由さが、長く愛されている理由のひとつです。


そして特に目を引くのが、その美しい木目です。
使用されているのは「カーリーバーチ」。
一般的なバーチ材とは異なり、木が生長する過程で生まれる独特の波打つような木目が特徴です。
光の当たり方や見る角度によって表情が変わり、同じカーリーバーチでも一脚ごとに異なる個性を楽しむことができます。
シンプルだからこそ、こうした木材そのものの表情がより際立ちます。

さらに今回のプロダクトは、Artek Tokyoの2周年を記念して製造された特別なモデル。
長い歴史を持つStool 60に、カーリーバーチという個性的な素材を組み合わせた、特別感のある一脚です。
デザイン自体は非常にシンプルですが、木目の表情や限定モデルとしての背景を知ると、また違った魅力が見えてきます。
北欧家具らしい温かみを感じながらも、空間に置いたときにはどこか凛とした存在感を感じさせてくれる。
そんなバランスの良さも、大きな魅力ではないでしょうか。

特別な場所で使うための家具というより、日常の中に自然と馴染んでくれる逸品。
玄関でちょっと腰掛けたり、ソファの横でサイドテーブルとして使ったり。
お気に入りの花やオブジェを置く台としても。
使い方を決めすぎず、そのときの暮らしに合わせて自由に使える。
1930年代に生まれた家具でありながら、今の暮らしにも違和感なく取り入れられるのは、アアルトのデザインが持つ普遍性ゆえなのかもしれません。
長く使うほどに木の表情も変化し、自分の暮らしの中に馴染んでいく。
名作家具だからこそ、ただ「所有する」のではなく、日々の生活の中で使い続けて楽しみたい1脚です。































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