african senufo bed
生活するために、造る。
理由はたったそれだけ。
シンプルな理由だけど、知れば知るほどほど奥深い。
アフリカのセヌフォ族のベッドのご紹介です。
ハンドメイドに魅せられる
セヌフォ族とは、アフリカのコートジボワールとマリ南東部に居住する先住民族。こちらは彼らが日常生活で使用するために作られたベッドですが、なんと一本の巨木をくり抜いているんです。当然、枕となる部分や脚もつなぎ目はありません。
セヌフォ族のスツールはよく目にしますが、私はベッドがあることを初めて知りました。
これが一本の木だったなんて。どっしりとした力強さと存在感があります。
その一方で、よく見るとこんな一面も。ちょっと斜めだったり、不均一だったり。手彫りでしか出せない温かさと、おおらかな感じに愛着が湧きます。
無垢材なので、あちこち杢目もあります。木そのままの姿が残っていることに良さがあるんです。
そして、使い込まれることで生まれたこの艶と色味。良い味が出ています。
脚はこんな感じ。丸みを帯びたフォルムが可愛いです。ずっと見ていたら、なんだか生き物のように見えてきました。
こんな家具を手作業だけで生み出す技術は素晴らしいです。
セヌフォ族の彼らにとっては生活家具のひとつですが、これはもう、家具である前に立派な彫刻作品といえます。
いったいどんな工程で、どれくらいの月日をかけて作られたのでしょうか。セヌフォ族の暮らしって?この民具を前にして、遠く離れた土地に住む彼らのことをあれこれ想像せずにはいられません。
日本にやってきたセヌフォ族のベッド。用途はベッドだけではありません。ベンチやサイドボード、オブジェとしても…私たちの生活に溶け込みながら様々なシーンで活躍してくれそうです。
伝統的な民具を受け継いだ次の使い手さんのもとで、さらに味わいを増していくのが楽しみです。