Atelier Mategot
Bellevue Coffee Table
1950年代、家具デザインの世界に新たな潮流を生み出した「ミッドセンチュリーデザイン」。
この言葉を聞くと、多くの人がアメリカのカラフルでポップなものを思い浮かべるかもしれません。
しかし、ミッドセンチュリーの波はアメリカだけでなく、ヨーロッパや日本にも広がり、それぞれの国で独自の発展を目指しました。
中でも、今回ご紹介するフランスのミッドセンチュリーデザインは、直線的なフォルムからより柔らかい曲線を用いたものへと進化し、彩度を抑えた落ち着いたカラーリングが特徴です。
装飾を排し、機能性とシンプルな美しさを両立させたデザイン。
今回はそんなデザインスタイルを確立させる一端となったプロダクトをご紹介いたします。
硬質な素材が紡ぐ、柔らかなフォルム


ハンガリー出身のデザイナー、マシュー・マテゴ。
マテゴはキャリアの初期にブダペスト美術工芸学校で学び、金属加工の伝統技術を習得しました。
しかし、第二次世界大戦の影響でハンガリーを離れざるを得なくなり、最終的にはフランスに移住。
その地で自身のデザイン哲学を確立し、革新的な技術を用いた家具を生み出していきます。

できる最大の功績は金属という素材の可能性を広げた事。
従来、金属は無機質で重厚な素材として認識されていましたが、マテゴはそこに新しいアプローチを加えました。
特殊な機械を開発し、金属をまるで布のように曲げたり折りたたんだりできる技術を確立します。
これにより、これまでにない自由なフォルムを生み出す事が可能となりました。

この革新的な手法は、単に美しい家具を生み出すだけでなく、生産効率の向上にも貢献しました。
結果として、マテゴのデザインは家具や照明だけでなく、トレイやゴミ箱、鉢植えホルダーなどの日用品にまで応用されるようになり、フランスの生活文化に溶け込んでいきました。

今回入荷したのは、中でも希少なプロダクト「ベルビュー Bellevue」コーヒーテーブル。
1956年にデザインされたこの作品は、金属加工技術とエレガントな美意識が融合した逸品です。
湾曲したエナメル加工の金属製ベースと、丸い縁取りのガラス天板というシンプルな組み合わせ。
金属の無機質な印象を和らげるほとんど流れるようなラインは、マテゴならではのデザインセンスが光るポイントです。


ブラックカラーがガラスの透明感を引き立て、空間に溶け込むような軽やかな雰囲気を演出。
テーブルの構造は、円形の形に三脚ベースが接続されたデザインとなっており、どの角度から見ても美しいシルエットを維持しています。
全体に見られる経年変化も、ビンテージならではの味わいとなり、時を経ても尚色褪せることのない魅力を放ちます。

ミッドセンチュリー期のフランスにおいて、マテゴは金属を用いた家具デザインの先駆者として確固たる地位を築きました。
彼の手がけたアイテムは、デザインの美しさだけでなく、機能性や技術革新の観点から見ても高く評価しています。
しかしながら、当時のオリジナルプロダクトは市場に出回ることが極めて稀です。
今回のテーブルもその希少なプロダクトのひとつ。
マテゴのデザイン哲学と50年代フランスの上品さが凝縮された逸品です。











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