eilersen
IW2
美しい見た目を持ちながらも道具としての役割を果たす。
デザインは終わりなき旅という言葉があるように、無限の可能性を秘めています。
しかしそれと同時に使い心地と見た目の良さを共存させることは容易なことではありません。
デザイナーたちの飽くなき探求の途中、生み出されるデザイン哲学。
本日紹介させて頂くのは素晴らしいフォルムと美しい時間を一つのかたちに完成させた名作です。
造形美に隠された機能美
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今回ご紹介させて頂くのはソファブランドとして名高いデンマークの“アイラーセン / eilersen”のスポークバックチェア、「IW2 」。
クラシカルなスポークバックチェアに不思議な柔らかさと絶妙なバランスがプラスされたチェアです。
ソファの印象が強いアイラーセン。
過去にこれほどの印象的なチェアを手掛けていたことに驚かされます。
長い歴史を持つ“アイラーセン / eilersen”。
今から125年前の1895年、馬車を製造するメーカーとしてはじまりました。
時代は変わり、馬車からバスのシートへ。そしてバスのシートからソファへ。
需要が激しく変わるに伴いアイラーセンが作るものはこのように変遷を遂げました。
しかし“快適な座り心地”への探求心は変わることなく現代も続いています。
そんな探求の途中、生み出された名チェアがIW2です。
デザインを手掛けたのはデンマークの建築家であるイルム・ウィッケルソー。
伝統的なシンプルさと躍動感のあるシルエットを併せ持ったデザインを手掛ける名デザイナーとして知られています。
IW2もまさにその通り。
一見クラシカルなフォルムを持ちながらも、今までの家具には見られないような躍動感を感じさせます。
スポークの美しい傾斜。
パーツの丸み。
熱で溶けたかのような柔らかさを持つアーム。
しばらく眺めていられるような見た目の美しさは家具としてのデザインを超越しています。
「家具は接しては身体を抱き締めるようであり、離れては目を楽しませるために作られるべきだ」
イルム・ウィッケルソーはこう遺しています。
しばらく眺めた後、腰を掛けてみると、そのデザインの可能性に言葉を失います。
木製とは思えない柔軟性には多くの人が惚れ込んだのではないでしょうか。
驚くべきポイントはこのチェアが半世紀以上も前に生み出されたという事。
1958年、所謂ミッドセンチュリー期に多くのデザイナーが新素材に目を奪われる中、イルム・ウィッケルソーは伝統的なデザインと素材である木材を用いこのチェアを発表しました。
圧倒的な想像力と創造力、既存の素材や形状に与えた違和感のないアレンジはあまりにも衝撃的だったのではないでしょうか。
自然で有機的なフォルムからインスピレーションを得て、人間の姿をしっかりと取り入れながら、堅固で耐久性のある家具に変換したイルム・ウィッケルソー。
今回入荷したのはアイラーセン120周年を記念して発表された希少な一脚。
純粋無垢なホワイトのカラーリングが、このデザインの奥深さに美しい陰影をつけます。
身体を抱き締めるような座り心地と目を楽しませてくれる見た目の良さは現代でも新しく映るはず。
半世紀の時を超え再び作られた一脚。
これは最早家具の形をしたデザインのメッセージなのかもしれません。