Rybo Rykken
Kengu  Arm Chair

 

 

日ごとままならない事に立ち向かう、私たち社会人。時には理不尽に打ちのめされる事もきっとあるでしょう。

 

そんなときに思い出すのは、小さな頃にテレビショーやコミックで見かけたスーパーヒーロー。

理不尽を跳ね返す「パワー」を振りかざす事が出来る存在は、年を取って見方が変わった今でも眩しく映ります。

みなさんは憧れのヒーローに、どんな魅力を感じていたでしょうか。

 

多様性を認め合う今の世の中、見た目には写らないようなすごい実力を持った人たちが日々の暮らしを支え、バラエティ豊かにしているのだと実感する機会が増えました。

 

奇抜ではないけれど、すごい機能をその身に隠したヒーロー。そんな人や物がいたって不思議ではないと思いませんか?

今回はそんな実力を秘めたナイスな1脚をご紹介。

 

宜しければ最後までお付き合いくださいませ。

 

 

ふかふか + みょんみょん

 

 

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片持ち構造。カタモチコウゾウ。やっぱり何度聞いてもピンとこないですね。

 

何の話かというと、今回ご紹介のような椅子が持つ仕組みの事。

 

いわゆる4本脚ではなくて、2本ある脚が伸び、接地して支えています。

 

仮に一枚の板が横に伸びていたとして、片方の端が固定されそして片方は自由である事を指すようです。

 

 

 

 

 

 

こういった仕組みの事は建築用語で片持ち構造、英語で言うなら「カンチレバー(cantilever、カンティレバーとも)」。

 

椅子だけに限った話では無いので、例えばプールの飛び込み台や比較的新しめの電車の座席と言ったら分かりやすいでしょうか。

 

構造としてきちんと技術が確立されているものなので安心してお使い頂けるようになっておりますが、「これって大丈夫なのか?」と瞬間的に頭をよぎる緊張感が、他にはない美しさを生み出します。

 

奇しくも先日ご紹介した倉俣史朗の盟友であったイッセイミヤケのショップ内には、超大型のテーブルが壁から生えているかのように伸びており、モードかつモダンな印象をより確かなものにしていました。

 

 

 

 

 

ところが今回のチェアには、そこまで尖ったような印象を感じません。

 

理由としては様々ですが、大きな要因としてはやはりその素材。

 

シートにはボリューム感たっぷりのレザークッション、そしてフレームはローズウッドを使用したウッドフレーム。

 

天然由来の素材がその表情を感じさせてくれる事で、より温もりのある雰囲気が伝わっているのです。

 

 

 

 

 

 

 

ブラウンカラーのレザーには綿を補充、そしてウレタンを交換した事でふんわりボリュームのある姿。座り心地も勿論上々です。

 

クラック等はあるものの大きな破れは無く、レザーらしいすべやかな質感と、体温がゆっくり伝わり馴染んでゆく感覚をお楽しみ頂けます。

 

そしてローズウッドは深みのあるブラウンの中に走る黒色の杢目が特徴的。

 

経年による豊かな表情の変化、高い密度組成からくる強度が家具だけにとどまらず高級材として重宝されていましたが、ゆっくりとした成長速度、世界的な経済成長に伴う需要の増大とそれに伴う違法伐採等が重なり、今では絶滅危惧種に挙げられる貴重な木材となっています。

 

 

 

 

 

 

このカングーチェアの発表は1957年。1945年イームズ夫妻によるLCW、DCW発表を皮切りに、今回のフレームのようにプライウッドを使用したデザインが賑わってきました。

 

薄くスライスした単板(ベニア)を複数枚重ね接着する。その時に熱を加えてプレスする事で、より自由な形状を作り出せるようになった技術の結果がここにも表れています。

 

無垢の棒材であれば難しい急角度のカーブも、薄い板の重なりであるプライウッドであれば折れなく描く事が出来る。

 

今もプライウッドの椅子は多く作られていますが、さかのぼれば60年以上も前にこうしたアイデアが実現したからこそ。

 

その高い完成度は現代でも遜色するものではありません。

 

 

 

 

 

 

脚部のカカトの箇所にはめ込まれているのはコマと呼ばれるパーツ。日本ではプライウッドのリードメーカー天童木工が得意とする技法です。

 

無垢材のパーツをしなりやすい箇所に接着する事で、フレームがしなりすぎないように構造をサポートをする仕組み。

 

デザインのアクセントとしても機能するディティールが「プライウッドのカンチレバー」をカタチにしています。

 

 

 

 

 

 

故事にある3本の矢の話ではないですが、一枚では薄く弱い木が、積み重なり熱を入れる事で元々の木より強くなる。

 

単純に鉄であれば重く強靭な椅子となるのにも係わらず、木の軽やかさや温もりを大切にしたかったノルウェーの家具メーカーは新しく生まれた技術を取り入れる選択をしました。

 

出来上がった椅子はお部屋にそっと馴染む懐の深さを持ちながら、脚をあげてその浮遊感を楽しみたくなるようなカンチレバーらしい1脚として、今も大切に使い継がれています。

 

 

 

 

 

私は年を重ねて、ただ「力強いだけ」という人が過去の憧れとなりましたが、その代わり考え続ける事を止めない人たちに尊敬を感じられるようになりました。年を取って良かったなあと素直に思います。

 

ノルウェーにもそんな粘り強い人がいたのだと、強く信じさせてくれる名作。ボリュームはあるけどコンパクト。モダンだけれども懐かしい。腰掛けた人がちょっと幸せになれる、そんな素敵な椅子です。

 

フルレザーのソファ/ラウンジチェアですとそれなりにお値段が張りますが、ビンテージならではのローズウッドを纏ったこの椅子はアンダー10万円。買ってよかったときっと実感して頂けるはずです。

 

いつも頑張る人にも休息は必要。そんな「ヒーロー」にお勧めしたい1脚です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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