ポストモダンデザインの旗手たち

 

近年、人気の復活が見られるポストモダンデザイン。

ポストモダンって一体どういうものなのでしょうか。

調べると哲学や建築、芸術など広範にわたる様々な分野で流行した思想的な運動のようで、近代からの脱却を目指した主義のことを指すようです。

 

しかし主義などの難しい部分は私の頭では説明できませんので、皆さま各々で勉強して頂くとして、ここではポストモダンを代表するメンフィスグループを結成した、エットーレ・ソットサスのプロダクトデザインなどを紹介していきたいと思います。

メンフィスに影響されて生まれた、ポストモダン的なアイテムも併せて掲載。

またメンフィスに参加した日本人の一人、倉俣史朗さんのレアアイテムも入荷していますので一緒にご紹介します。

※後日入荷したマリオ・ボッタの作品も追加しました。

 

 

 

 

 

★ エットーレ・ソットサス / Ettore Sottsass

 

 

1950年代後半からオリベッティにて数多くのデザインを手掛けています。

一番有名なのは赤いバケツの愛称で有名なタイプライター「ヴァレンタイン」でしょうか。

他にもコンピューターや電卓、オフィス家具など、オリベッティの製品を40年に渡ってデザインしています。

またKnollやポルトロノヴァからも作品を発表しています。

 

そして1981年にはソットサス・アソシエイツのメンバーや世界中の若手デザイナー、建築家と共にメンフィスグループを結成。

メンバーにはマルコ・ザニーニ、ミケーレ・デ・ルッキ、マテオ・トゥン、ハビエル・マリスカル、アンドレア・ブランジなどの錚々たる顔ぶれ。

日本からも磯崎新、倉俣史朗、梅田正徳が参加しています。

 

このメンフィスグループが打ち出したデザインアイテムは奇抜な形態と刺激的な色彩で賛否はあったようですが、新しいデザインの登場ということもあって、熱狂的に指示する人達が急増。

世界各国で展覧会などが催されました。

 

 

 

MEMPHIS MILANO – Tahiti

 

メンフィス・ミラノから発売されたソットサスのタヒチ。

南国の鳥を独自の解釈で形容した、まさにポストモダンなアイテムです。

MEMPHIS MILANO Ettore Sottsass 1981の金属プレートが、表面の保護ビニールシートと裏面の剥離紙を残した未接着の状態で付属します。

 

 

 

 

 

 

 

ソットサス、他のアイテム(ほぼ販売済みとなります。)

 

 

 

 

OLIVETTI – Synthesis Desk

 

こちらは70年代の物で、先日売れてしまったのですがめずらしいのでご紹介。

オリベッティから発売されたSynthesisシリーズのデスクです。

天板高が低いことからタイプライターデスクだったかもしれません。

コンパクトなサイズと片翼で付いているプラスチックドロワー部のアシンメトリーさが効いています。

 

 

 

 

 

 

 

 

☆ 色々あったポストモダンなプロダクトデザイン

 

景気が良かった時代、所謂バブル期だったこともあってポストモダンなデザインは日本でも80年代に流行し、各クリエイターや高感度アンテナを搭載していた若い世代などが飛びつきました。

影響を受けたメーカーも数多く、豊かな色彩の製品がいたるところで見られるように。

またコンクリート打ちっ放しの内装などが流行し、それに合わせて無機質なインテリアも登場。

スチールを用いたイタリアンデザインや倉俣史郎、川久保玲などの家具も多くの支持を獲得しました。

 

このようにしてポストモダン的なアイテムも世界中で流行していきます。

以下はインプションで過去に扱った、ポストモダン(的)なアイテムの一部。(アルテルーチェのAURORA以外は販売済みです。)

内田繁さんのイルパラッツォのテーブルなんて、今思うと中々レアなアイテムでしたね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★ 倉俣史朗 / Shiro Kuramata

 

ポストモダンという言葉だけでは括れない、日本を代表するデザイナー。

世界中で高い評価を得ており、その影響力は「クラマタ・ショック」という言葉が生まれるほどであったそう。

1991年に惜しくも56歳という若さで逝去されたが、その後の人気の高さは皆さん知っての通り。

How High the Moonやミスブランチなどを筆頭に、多くの作品がマニア垂涎のものとなっています。

 

 

 

SHIRO KURAMATA – Desk for Tsukuba Daiichi Hotel

 

1983年に開業した筑波第一ホテルのためにデザインされたデスク。

建築を磯崎新、インテリアデザインを倉俣史朗が手掛けました。

一般販売がされた物では無いことと、ホテルが2001年に廃業しているので既に現存数は少なく、希少なアイテムとなっています。

 

※一緒に写っている椅子は近藤康夫デザインのオーダーチェア。これも結構なレア物だったりします。(販売済み)

 

 

※画像の物とは別の個体となりますが、在庫がございます。下記リンクからご覧ください。(2023.05.12)

 

 

 

※2023.05追加掲載分

 

新たに入荷している希少なブラックカラーです。(2023.05.12掲載)

 

 

 

 

 

 

IDEE / Expanded Metal Chair B.I.-86

こちらもめずらしい1986年頃の作品です。(2023.05.12掲載)

 

 

 

 

 

 

STAR PIECE  90x45cm with USM Haller Flame

スターピースを天板とし、USMハラーのフレームに乗せてコーヒーテーブルにしました。(2023.05.12掲載)

 

 

 

 

 

FLOWER VASE  (Vintage)

希少な当時物が入荷しました。

 

 

 

 

 

 

倉俣史朗、他のアイテム(すべて販売済みとなります。)

 

 

 

 

KURAMATA DESIGN OFFICE – Sealing of roses

 

2003年頃にミスブランチチェアのサンプル素材として限定販売された” Sealing of roses”

56脚しか製造されなかったミスブランチのオマージュ作品として、探している方も多いはず。

1点1点ローズの配置が違うものとなるため、全く同じ物は2つとしてありません。

元箱、共布、カードが付属、本体底面にシールも残っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆ マリオ・ボッタ / Mario Botta

 

スイスを代表する建築家。

ヴェネチア大学在学中にル・コルビジェとルイス・カーンの助手を務める。

ポストモダンの要素を含めた独自の建築物が多く、日本でもワタリウム美術館を手掛けている。

このSHOGUNやQUINTAチェアなどのインテリアもデザインしているが、どれも現存数は少なくマニア向けの作品となっている。

 

 

 

ARTEMIDE – SHOGUN

 

1986年にデザインされたSHOGUN

線状のスリットが入った2枚のスチールシェードを湾曲させ、可動式にすることで調光や陰影のコントロールを可能としました。

高さ約214cmもの大きさとポストモダンなフォルムは見る者を驚かせる存在感です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この度エットーレ・ソットサスと倉俣史朗の希少なアイテムをお買取りさせていただきました。(後日、マリオ・ボッタも追加)

こんなことはなかなかありませんので、ポストモダンの特集といった意味も含めまして、このような記事にさせていただきました。

お譲り頂いた方々には大変感謝しております、誠にありがとうございました。

 

 

バブル期だったこともあり、泡沫の夢のように思えたポストモダンという流行。

この時代にしか表現されなかったであろう特異性が、今現在キラキラして見えるのかもしれません。

 

お買取りのご相談もお待ちしております。

 

アベカワ

 

 

 

余談ですが、弊社が店を構える世田谷区にポストモダン建築が現存しています。

東名高速の東京ICから環八道路を北に向かって、三本杉陸橋を超えて割とすぐ左側に、屋上からでっかいギリシャのイオニア式建築柱が飛び出している建物が見えてきます。

この建物は今を時めく隈研吾さんが設計したもので、1991年に竣工しました。

柱だけじゃなく建物全体がすごいデザインで当時は批判が多かったようですが、面白い建築物ってそんなに見る機会が無いと思いますので、是非一度は見ておきたいポストモダン建築だと思います。

 

 

 

 

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