中国家具 玉石細工 キャビネット 飾り棚 開き戸 2段 花鳥図 漆 ナイトテーブル ~美しさの基準~
Chinese Cabinet
With Jedaite Work
本日の雨は一瞬で豪雨、一瞬で晴れ間と振り向くごとに天気が変わるような荒れ模様でしたが、後半になってからは大分落ち着いて、ありがたいことにご来店される方もちらほらといらっしゃる塩梅です。
びしょ濡れになる事がなければ普段にない日よりは新鮮ですが、まだ数日は油断の出来ない日が続きそうです。
このブログをご覧の皆さまも、どうぞお気をつけ下さい。
さて、普段ご私たちが紹介するものはどちらかと言えば近代デザインにおいても先進国である西洋のアイテムですが、時折こんな東洋のアイテムも入荷してきます。
普段とは異なる趣向はやはり新鮮に映るもの。
宜しければ、自分の好みは別としても一度その魅力を味わってみませんか。
漆黒はキャンバス
今回はコンパクトなキャビネットのご紹介。
幅は約52センチに奥行は31.5センチ、高さは61センチと可愛らしいサイズ感です。
漆塗りの本体には背面、底面を除きすべてに装飾が施されています。
描かれているのは草木に鳥、虫といった一般的には「花鳥図(かちょうず)」と呼ばれる意匠。
これだけでも手間暇をかけられている事が分かります。
突然ですが、実用的な家具においては基本的にデザインはシンメトリー(左右対称)です。
用途やシチュエーション、実際的な機能というプラスがあった時に、デスクの袖机やカップボードのレンジ台のように追加で考えられる事が多いところ。
ですが、今回のキャビネットは装飾においてアシンメトリーが感じられます。
キャビネット本体はそれほど特殊ではありません。平滑な面によって構成された直方体の収納。
ただ、漆黒の色に映える金色の縁取りが施される事で印象は華やかになり、二重三重と囲まれる事でそこがひとつのキャンバスとして見立てられています。
生き物ならではの有機性を感じさせる、うねりのある草木。
宿り木にしようと、羽ばたきながら近づく鳥。
花に集まる蝶に狙いを定めようとする1羽もいるようです。
西洋の芸術においては、左右対称に完成された=ミスのない美しさというものが根強い価値観としてあります。
それはどちらかといえば、見る相手を圧倒する力を持ち、良い悪いの判断が付きやすいもの。
ですが、遠く東に離れたアジアではそれとは別の価値観が育まれていました。
例えば日本における華道や盆栽。
力だけで形を整えるのではなく、生き物があるがままの姿を生かし、その魅力を表に出す足し引きの手伝いをする。
西洋にとって自然は征服するものでしたが、東洋は調和を目指しました。
場所が違い、天気が違い、それによって育った感覚も違う。
左右が異なる=ミスではないという事は、すなわち分かりやすい正解がないという事。
それでも人が美しいと感じるバランスを見つけて形にする。それは素晴らしい東洋の感覚として、今も高い評価を得ています。
つややかな黒の中に、どこから見ても生き物たちが美しい姿を見せている。
表の戸板には天然石によってより立体的になった華やかな姿が楽しめます。
相田みつを氏ではありませんが、価値観が違うからこそ、それが良い。そんな事を感じさせてくれるキャビネットのご紹介でした。
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