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カールハンセン&サン Carl Hansen & Son CH88T ダイニングチェア オーク材 ステンレススチールフレーム ハンス・J・ウェグナー ダニッシュモダン 北欧家具 ~新シイ ヲ求ム~
![](/archives/wp-content/uploads/2023/06/0617-c20.jpg)
Carl Hansen & Son
CH88T
カラッとしながらもしっかりとした暑さに、初夏を感じますね。
たぶん夏本番までには雨が降るとはわかっていつつも、こころよい天気は嬉しい。
経堂店はすずらん通りに隣接しているので、行きかう人たちが目に入るのですがやはり嬉しそう。
新しく、そしてこころよいを求めた1脚が今回のご紹介。
宜しければ是非最後までお付き合いくださいませ。
時代が追いついた
このシルエットを見ただけで、分かる人は分かってしまうであろうアイテム。
そう、今回のご紹介はハンス・J・ウェグナーがデザインした1脚です。
インテリアにあまり詳しくない人でも、Yチェア(CH24)という響きは聞いたことがきっとあるでしょう。
北欧家具というカテゴリーは聞く人に「優れたデザイン・品質」という意味合いを連想させますが、その土台を作った一人と言えば、どれだけ凄いひとかわかって頂けるでしょうか。
1914年、当時はドイツ領であったトゥナーに生まれたウェグナーは靴職人の父のもと、ものづくりに親しみながら育っています。
修行期間ののち、自身がクラフトマンとしての職位(マイスター)を持つに至ったウェグナーは、従軍後にデザインを学びアルネ・ヤコブセンのもとで働きはじめます。
独立後の苦節の時期には盟友ボーエ・モーエンセンと思いを分け合ったエピソードなど色々ありますが、積み重ねは花開き、作り上げた椅子がアメリカ大統領選で使われるほどの結果に結びつきます。
その後は自身の探究の中にも、使う人、作る人を強く想ったアイテムを多く発表し、その生涯の中で500脚以上をデザインしたとされています。
今でも作り続けられるスタンダードから、マニアを唸らせるビンテージまで。
流行り廃りはあれども、愛用する人はなくならないであろう、そんな名デザイナーです。
今回の椅子はちょっと不思議な来歴の1脚。
デザインされたのは1955年。ザ・チェアの発表は1949年(※)、Yチェアの発表は1950年なのでウェグナー自身の中ではデザインの指針が固まっていた時期かと思われます。(※ザ・チェアが大統領選に使われたのは1960年)
スウェーデンの博覧会に出展予定で作られたプロトタイプは公に出ることは無く、さながらミュージシャンの秘蔵テープのようにお蔵入りかと思われました。
それをカールハンセン&サンが復刻したのは2014年。実に59年ものタイムスリップを経て日の目を浴びたのです。
ミッドセンチュリーといわれる当時、デンマークは職人を中心に高い製造技術を持っていました。
ザ・チェアも木製フレームに籐(ラタン)張り。Yチェアも木製フレームにペーパーコードを張っています。
デンマーク全体が自然素材で椅子の多くを作っていた時に試みられた、異素材の1脚。
オーク材に組み合わされたのはスチールのフレーム。
ひょっとすると当時はその価値観がまだ浸透しきっていなかったのかもしれません。
笠木と呼ばれる背もたれのトップは削り出したオーク無垢材で。
どの角度からみても絵になるような、複雑な立体を描いています。
そこに合わせられたのは同じオーク材でも成型合板(プライウッド)によるもの。
効率だけを考えると採用されない組み合わせです。
そして全体の雰囲気をスタイリッシュにまとめる金属のフレーム。今回はステンレススチール仕様です。
ウッドフレームであればテーパー(絞り込み)や組付けの方法で「魅せなければ」、バランスをとることは中々に難しいこと。
ですが無機物であるスチールを活かしたストレートなシルエットにすることで、それぞれの魅力を引き立てています。
細く、強靭なスチールフレームは鈍重な印象を減らして緊張感のある美しさを。
座面には笠木との橋渡しをするプライウッド。温もりがあり、軽くて丈夫です。
そして一番に手が触れる笠木はこれ以上ないハンドクラフトを。
これを意識してまとめ挙げているのですから、今でもファンが絶えないのも納得してしまいます。
多くの人がその実力を感じ、異素材の組み合わせも当たり前に受け入れられるようになった現代。
これ以上ない時期に、デザイナーへの感謝を込めて生まれ出た1脚。
ウェグナー自身が新しい価値を生み出すために続けた試みのひとつ。
是非使いながら楽しんでみてはいかがでしょうか。
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