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アーコール Ercol ドロップリーフ コーヒーテーブル サイドテーブル ハーフムーンテーブル エルム×ビーチ材 UKビンテージ ~ぴったりの言葉はみつかりませんが~
Ercol
Half Moon Table
すらりと伸びる脚、ワイルドな木目をもつ天板、その天板に突き出た脚先の丸。椅子でなくとも、ひと目見て「Ercol(アーコール)の家具だ」と分かる佇まい。
このプレーンで親しみやすく、ビンテージなのに洗練された雰囲気を伝えるのに、いつもどう表現しようか迷います。
ずっとそこにあったかのように日常に違和感なく溶け込むアーコールの家具。敬意を込めて、あえて普通と呼んでみることにします。
ただならぬ、普通の月
何か特別な装飾があるわけではなく、奇をてらったデザインもない。英国クラシカルと一線を画すのには、当時の時代背景が影響しています。
世界中が争いの真っ只中、いわゆる英国らしい家具の材料は手に入りづらくなっていました。そこで生まれた大量生産向きのシンプルなデザイン。
戦後、伝統様式を取り戻そうとする中で、アーコールもまた「Old Colonial(オールドコロニアル)シリーズ」を誕生させるなど、クラシカルを継承した家具を製造していきます。
でも、ただの古典様式には非ず。無駄がなく美しい、それでいて丈夫という独自のセンスをプラスしたモダンブリティッシュスタイルが多くの人々の支持を集めることになります。
このコーヒーテーブルも、そんなアーコール・モダンを堪能できる逸品。シールこそ現存しておりませんが、1960年代に製造されていたモデルです。
ドロップリーフ式のサイドテーブルはアーコールでなくとも珍しいデザインではないでしょうか。
まず、見惚れるほどの可愛らしい佇まいであることは言うまでもなく、それに加えて、半分になった天板の形状から名づけられた「ハーフムーン」という愛称もまた素敵。
なのですが、個人的にそそられるポイントはそこではありません。
開脚時にアシンメトリーに交差する貫たち。複雑そうに見えるこの脚部の構造がシンプルなデザインのギャップとなり、佇まいの引き立て役になっているような気がします。
ちなみに、天板を持ち上げて、可動する脚を1本スライドさせるだけの簡単な動作で拡張することができますのでご安心ください。
珍しさと可愛らしさと使いやすさをすべてひっくるめたぴったりの言葉はまだ見つかりません。
でも、誰にでも受け入れられるデザインだからと言って普通と呼ぶのには、やっぱり無理があるように思えてきました。
ハーフムーンなら壁付けで、フルムーンならお部屋の中央で。
シンプルさを際立たせる丁寧さとアーコールらしさをまとったこのコーヒーテーブルが、“ ただならぬ普通 ”の本領を発揮してくれることでしょう。
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