vitra.
Side Shell Chairs

 

 

先日、通勤のためのバスに乗り発車を待っていた時の話です。

 

その日はピーカンではないにしろほどほどに晴れた天気で、窓ガラスから何とはなく外を見ていた私。そうすると突然、目の前のガラスに雨が打ち付けたような線が1本2本と現れたのです。

 

前後の窓を見るも雨が降り出した様子はありません。理解が出来ない現状に動揺しながらもあたりを確認すると、バス停の屋根の上からカラスがこちらを見ていました。そのくちばしからは僅かに水のきらめきが。

 

どうやら屋根沿いにある雨どいに溜まった水をカラスが掬い、その水滴が落ちてきた様子。びっくりしたと同時に、何事にも理由はつくのだと感心した一幕でした。

 

当たり前に生活の中ににある椅子。そういった意味合いで言うならば、昔にデザインされた椅子が今も使われるという事にもしっかりとした理由があるのです。今回のご紹介はそんなマスターピースな1脚です。

 

 

 

積み重なった理由

 

 

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今回はスイスが生んだインテリアのファニチャーブランド、ヴィトラから色違いのチェアをご紹介です。

ヴィトラは1950年に創業したスイスの企業。前身を含めると1934年に店舗什器の会社を買収したところまで遡れるようです。

 

フランス語でショーケースを意味する「Vitrine」がその語源となり出来上がったヴィトラ。

創業者であるウィリー・フェルバウムは当時どのような会社になる事を夢見ていたのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

1953年、初めてアメリカを旅行したウィリーはニューヨークのショップで見かけた赤い椅子に目を奪われます。それはイームズ夫妻のデザインによるプライウッドの椅子、DCW。

 

その美しさ、優れた使い心地に魅了されたウィリーがその椅子をヨーロッパでも販売したいと考えます。ハーマンミラーにおけるイームズ夫妻のコレクションを生産するライセンスを得て、ヨーロッパへと優れた製品を広げてゆくためには4年の期間をかけねばなりませんでした。

 

1960年にはイームズ夫妻と同じくミッドセンチュリーを代表するデザイナー、ウェルナー・パントンと共同し、完全一体成型の椅子 パントンチェアを発表。

 

このあたりを境にライセンスのみに限らずオリジナルの優れた製品を手掛ける様になり、現在ではヴィトラ=デザイン性の高い家具を作る企業、という図式が成り立つほどに高い評価を得ていいます。正にトップクラスと呼べるブランドです。

 

 

 

 

 

今回の椅子は1948年の発表。優れたデザイン、かつローコストな家具を募集した国際コンペで高い評価を得た1脚。先程のDCW、LCWでは叶わなかった背もたれと座面が一体になったデザインです。これをFRP(ガラス繊維強化プラスティック)という素材で実現し、発売までこぎつけた夫妻渾身のプロダクト。

 

一体型のシートを製造するためには、主に背もたれに掛かる荷重に耐えるためのアイデアが必要です。工夫がない椅子であれば背もたれの根元が荷重に耐えきれず折れてしまいます。

 

木材のように元からある形を変えるのではなく自由な形に造形出来るプラスティックに、強度の為のガラス繊維を封入することでデザインに耐える素材を見出していたのです。

 

 

 

 

 

 

その工夫はシートにも。3次元的な曲面が美しいシートですが、その端は折り返すようにエッジがつけられています。

ほんの僅かに厚みを持たせたエッジは、開いたアヒルの口のような形のエッジで、もたれた時の最初の荷重を受け止めます。

 

もたれ掛かった瞬間の一番大きなエネルギーをエッジの先と折り返した角で分散するために、素材だけではない優れた耐久性を得ているのですね。

 

プライウッドでその耐久性を担保したヤコブセンのアントチェアでも発表は1952年。ヤコブセンはイームズのシェルチェアに触発されてアントチェアを作ったという話ではありますが、当時はそれだけ衝撃的なフォルムであったという事が伺えます。

 

 

 

 

 

1990年にはFRP素材のリサイクルが難しいという環境負荷の問題から製造が中止。地球に生きる企業としてそれをクリアしたのが今回のポリプロピレン素材のシェルになります。

 

FRPがシートに浮き出るガラス繊維を楽しめる素材ならば、ポリプロピレンは純粋なフォルムをより楽しめる素材。丁度ニットで言うローゲージとハイゲージのような違いですね。

 

サラサラと気持ちの良い手触りで、細かな凹凸は上品な陰影をつけてくれます。FRPより柔らかなしなりは病みつきになる人もいるほど。ちょっとラフすぎるのが苦手な方にはピッタリだと思います。

 

 

 

 

 

三代続いた伝統の味と食べ物であれば時折売り文句として聞く事もありますが(それも凄い)、目まぐるしく生活様式が変わる現代で1つ家具の形が70年を過ぎてなお変わらずにあるという驚きの事実。

それだけロングセラーであれば、身の回りにあるのも納得ですね。

 

今回は取り入れやすいグレーカラーと、アメリカンでポップなブルーカラー。ブルーは先日入荷した分と合わせて2脚在庫がありお選び頂けます。

 

マスターピースのその実力を感じて頂くのは、今かもしれません。

素敵な椅子をお探しでしたら、こんな1脚はいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

vitra. side Shell Chair GREY

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

vitra. side Shell Chair BLUE A

 

 

 

 

 

 

 

 

 

vitra. side Shell Chair BLUE B

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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