vitra.
DSR  Side Shell Chair

 

 

今日は風が強いですね。日差しは温かいものの、暗くなってからは冷たい風に首をすぼめてしまいそうです。

 

出勤中、駅の手前にある植え込みの上に何かが浮かんでいたので、ふと足を止め目を凝らすとクモが巣を張って佇んでいました。

スマホの見過ぎか悪くなった視力が、ファンタジーさながらにクモを宙に浮かばせていたと考えると面白く、衰える事も悪い側面だけでは無いのかなと感じた秋の真ん中でした。

 

今回ご紹介するのは私が見えなかったクモの巣のような(なんという枕でしょう)、美しい構築美のある1脚。

宜しければ最後までお付き合いください。

 

 

 

 

なんのためにロッドを曲げたのか

 

 

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DSR。日本では「シェルチェア」と比べるとそれほどメジャーではない呼称を持つ今回の1脚。

「D」inning  「S」ide  「R」od、すなわちダイニング用の座高の、サイドチェア、ワイヤーロッドのベース仕様という事のようです。

 

シートがアーム付きのものになると真ん中のSはA(Arm Chair)に、ベースなら末尾がS(スタッキング)、R(ロッキング)、C(コントラクト)と変わってゆきます。

 

言葉の連想がしづらいと、なかなか馴染めない…この呼称が日本でメジャーにならない理由が今少し分かった気がします。

 

 

 

 

 

しかし、それほど沢山のバリエーションを持つシェルチェア。製造される環境にもいろいろと変遷があるようです。

 

まず発表されたのは1948年。ローコスト家具の国際コンペに出展し2等を受賞するもすぐの製造には至りませんでした(この時は金属製のシートであったそう)。

 

のち製造を実現する素材、プラスティックに出会いハーマンミラー社が1950年に発売を開始。

製造を担当している協力会社も色々を存在しますが、1990年台に入るとひとつの問題に直面します。

 

 

 

 

 

 

当時シートはFRPとよばれるガラス繊維で強化したプラスティックを使用していたのですが、環境問題への意識が高まる中でリサイクルが難しいこの素材を使った椅子は時勢に沿わなくなってしまいました。

 

そのため、ハーマンミラー社はFRPのシェルチェア製造を中止したのですが、名作の遺伝子を繋げる新たな一手として採用されたのがポリプロピレン樹脂。

 

対候性が高く、また独特なしなりを持つこの素材は100パーセントリサイクルが可能な夢の素材。

新しい身体をまとったシェルチェアは新たなテクスチャー、そして特性を持ったマスターピースとして蘇りました。

 

 

 

 

 

 

そのかたち。一体成型でしか成しえない三次曲面の形は素直に美しいと言えます。

ふと腰掛けた時でも座り心地が良い場所へ導かれるようにカーブしているシート。機能的なだけではなく、差し込む光に陰影のグラデーションを付けてくれます。

 

今回はホワイトカラーの1脚なので、より顕著に感じて頂けると思います。

 

 

 

 

 

 

 

エッフェルベースと呼ばれる脚部。細いワイヤーロッドをベースとして使うためには強靭な構造が必要であったと想像できます。ですがそれ以外にもシンプルな、Hベース、Xベースと呼ばれる脚部は存在しています。一体なぜイームズ夫妻はロッドを曲げたのでしょうか。

 

金属の棒であるロッドを複雑に曲げ、溶接を施す。そしてパーツと規格を揃え、耐久性を満たすまでトライアンドエラー。デザインを試行錯誤するだけでも途方に暮れてしまいそうです。

偉大なデザイナーが工夫を凝らし時間をかけて作り出したこの形は、その名の通り建物のような構築美を見せてくれ、複雑な光の反射はシンプルでありながら退屈さを感じさせてくれません。

 

 

 

 

 

現在はリサイクルが可能なFRPも開発され、一時以上に様々なバリエーションを楽しむ事が出来るようになりました。

ヴィトラ社がその間名作が途切れないよう繋ぐだけではなく、優れたデザインの持つ可能性を拡げていたと考えるととても感慨深い1脚であると思います。

 

マウント部のコンディションから、お求めやすい価格な今回の1脚。

この機会に時代を駆け抜け、今も走り続ける名作を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

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