Carl Hansen & Son
CH20 Elbow Chairs

 

 

これだけの暑さが続くと、基本的に部屋で過ごす際は窓を閉じ、冷房を掛けることになります。

そうなると悲しいことに夏の風物詩の一つ、風鈴の音が聞こえなくなります。

 

ムラのある自然風にあおられて時折その身を震わせる風鈴の音。身体は避けがたく暑くなるからこそ、心には涼やかさを求めてしまいます。

ちなみに私は南部鉄器のような鋳鉄のタイプの音が好きですが、このブログをご覧の皆さまはいかがでしょうか。

 

今回のご紹介は、満たされて気が付く「ちょうど良い」を感じさせてくれる椅子。

宜しければ最後までお付き合い下さいませ。

 

 

 

何にとって”必要”か

 

 

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今回の椅子は、デンマークのデザイナーズファニチャーを今も多く製造するカールハンセン&サン(以降カールハンセン)からエルボーチェアとなります。

 

カールハンセンは1908年創業の100年企業。1950年代を前後に名作が多く生まれたミッドセンチュリー期を支えたファニチャーメーカーです。

 

 

 

 

 

 

ミッドセンチュリーの当時、デンマークをはじめとする北欧諸国には多くの手工芸技術を持つ職人が在籍した工房が存在していました。

 

今回のウェグナーであればヨハネス・ハンセン、APストーレン、アンドレアス・ツック。同時代を代表するフィン・ユールはアルネ・ヴォッダーやニールス・ヴォッダーらとそれぞれタッグを組み、芸術品と呼べるほどのアイテムを製作しています。

 

それらを育んだ地盤として、デンマークにはキャビネットメーカーズギルドやマイスター制度といった仕組みがありましたがこちらは時代と共に衰退してしまいます。

 

ものづくりに関する熱量は時代に添う形で今なお残っておりますが、工房の多くは廃業や吸収合併となり、今も変わらずの姿で製造を続ける企業は希少と言えます。

 

 

 

 

 

カールハンセンは優れた生産設備を備えている事でも有名です。今回のアイテムのデザイナー、ハンス・J・ウェグナーは共同する企業の特色を生かしたアイテムをデザインする事で知られていますが、カールハンセンとタッグを組む事で、「機能的」、「量産が可能」、そして「美しい」アイテムを作り上げました。

 

一部好事家のお楽しみであった芸術品から、生活を共にする美しい家具へ。より多くの人が日常的にデザインを暮らしの中に取り込めるようになった業績はとても大きなものがあります。

 

 

 

 

 

例えばYチェアと呼ばれるCH24は世界的なベストセラー。テレビや雑誌からお洒落なカフェまで生活の中に溶け込んでいて、目にしない日は無いといっても過言ではありません。

 

中国明朝の椅子をリデザインして生まれた椅子ですが、東洋のオリエンタルな雰囲気を感じさせつつもデンマークのアイテムだという事にも納得出来てしまう高次元な融合が感じられます。

 

ウェグナーの椅子はそれぞれに魅力が潜んでいるのが見ていて楽しいのですが、今回のCH20はどうでしょうか。

 

 

 

 

 

 

ニクソンとジョン・F・ケネディとの歴史的なテレビ討論に使用されたザチェアにも通じる後ろ姿。まるで木が重力に引っ張られる水のように自然な丸みを帯びています。

 

また対比するようにその先端は潔く切り放しになっていて、ガシッと握り甲斐のある太さが保たれています。

 

 

 

 

 

 

 

体重を支える脚部は接合部付近が最も太く、足先に向けて緩やかに細くなるターニングレッグ。背もたれに繋がる2本の脚はよく見ると上下非対称で、テーパー(絞り)度合いが異なる事が分かります。

 

全高が71センチとスッキリとした見た目に、安心して使える低重心の印象を損なわずに軽やかにする。そんな細やかな工夫が感じられます。

 

 

 

 

 

 

背もたれ(笠木)が両サイドに伸びる椅子はブルホーンやカウホーン、PP701等いろいろとありますがCH20は短めのハーフアーム。

 

腰の後ろ側の骨(腸骨と言うらしいです)を背もたれで受け止めている感覚と共に腕をちょうど良い塩梅で載せられます。

 

そして地味ですがデンマークらしさを感じられるポイントと思っているシート。柔らかく中央にたわんだシートにはツヤと凹凸のテクスチャーが小気味よいシボ革が丁寧に貼られています。

 

レザーの下には厚さ3センチ以上のウレタンがあるので長時間の使用でも安心です。

 

 

 

 

 

 

 

驚く事に、CH20はスタッキング仕様。幕板を曲げられるプライウッドで中央に寄せることで、見た目を損なわずに機能を付加しています。細部こそ異なりますが、1999年には柳宗理も天童木工から同じ仕様を持つダイニングチェアを発表しているのが興味深いです。

 

ちょっと贅沢な見た目ですが(笑)今回は同時に2脚の入荷がありましたのでこの光景を収めることが出来ました。

 

同じ仕様も良いですし、樹種違いなんかでスタッキングできたら心が浮き上がりそうですね。

 

 

 

 

 

CH20はデザインこそ1956年と良い時代に行われたものの、製造コストが合わず発売は2005年と半世紀以上製品化されていなかったアイテム。

 

ミッドセンチュリーのその当時にしか出来ないと思っていたら、技術の進化によって日の目を見る名作があった。時代が進んでよかったと思える、そんな嬉しいアイテムです。

 

座り心地はもちろん快適。派手さこそないものの、使う度に愛おしさを感じられる1脚です。お探しの方は、どうぞこの機会をお見逃しなく。

 

 

 

 

 

 

 

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