Fritz Hansen
No.4305 Easy Chair

 

 

昨日は、帰り際(夜の20~21時位でしょうか)に、雨こそ降りませんでしたが、少し離れた空に光がちらついているのを見かけました。

ん?なんだと思って目を凝らしてみると、まさかの稲光がビカビカと点滅していたのでした。

 

場所的には遠かったのか、雨が降る事も音が鳴り響く事もありませんでしたが、「あれが竜の巣か…」とつぶやいてしまうくらいには光も強く、ますます変な気候になっているなあと感じてしまった夜でした。

 

巷で言われているように、私たち人類の行いが結果としてこの異常気象につながっているのは周知の事実になっています。この気候の原因には理由がある。ならば美しい家具のデザインには理由があるのか(ちょっと無理矢理ですが)。

 

そんな事を考えさせてくれるデザイナーズプロダクトを今回ご紹介させて頂きます。

もしお時間がございましたら、その理由を一緒に感じて頂ければと存じます。

 

 

 

伝統=革新?

 

 

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今回は、デンマークのファニチャーメーカー、フリッツハンセン社からイージーチェアになります。

フリッツハンセンは現存するファニチャーメーカーとしては1872年創業の最古の部類になり、デンマークにおける家具製造の背骨となった老舗の企業です。

 

(ちなみに、Yチェアで有名なカールハンセン&サン社は1908年、ウェグナーのソファやデイベッドを製造するゲタマ社は1899年、モーエンセンとのタッグで名品を多く生み出したフレデリシア社は1911年の創業。こうしてみると有名な企業は全て100年企業なんですね。)

 

 

 

 

 

 

フリッツハンセン社は1930年代、息子のクリチャン・E・ハンセンの代になり熱蒸気を使った曲木加工、成型合板の加工に精通します。ダンチェアと呼ばれるベントウッドチェアはその結果として高い人気を博し、家具におけるデザインに重きを置いてデザイナーとの協同を深めてゆきます。

 

アルネ・ヤコブセン、ハンス・J・ウェグナー、ウェルナー・パントン、etc・・・。

 

ヤコブセンのエッグチェアやスワンチェア等はウレタンを吹き付ける方法で可能になった新しいデザイン。パントンのバチェラーチェアは荷重に耐える強靭なメタルフレームが前提となったモダンなデザイン。

 

それまで慣習としてあった、世襲的に受け継がれたデザインで家具を作り続けるのではなく、新しい生活に合わせ先進の技術やデザインでそれに応え続けた事が、現在も第一線のメーカーである証明。新しくある事を恐れない事が、結果として今の伝統になっています。

 

 

 

 

 

今回のイージーチェアは1959年、カレン&エベ・クレメンセン夫妻によってデザインされました。

 

ヘルシンゲルの労働組合研修施設(LO skolen)やゲントフトにある運動施設(Kildeskovshallen)など、現在でもその洗練されたモダンのデザインを楽しむことのできる建築家としてもキャリアが多い両氏ですが、家具や照明も少ないながらデザインを行っています。

 

圧迫感の少ない、洗練されたモダンなデザインはどちらにも共通しているポイントかと思います。

 

 

 

 

 

 

全体としてやや華奢な印象を受けるフレーム。

アームにレザーのテープが張られているのは、モーエンス・コッホやコーア・クリントに共通するデザインを感じさせますね。

 

シートに接触しているポイントは目につきにくい場所に絞られているので、シートが独立している様な独特な浮遊感があります。

 

 

 

 

 

 

そして良くご覧頂きたいのが、このフレームの木材。

北欧家具といえばチークやオーク、ビーチを良く目にしますが、こちらはアッシュ(タモ)材。木目の質感としてはオーク材に似ていますが、素直な縞模様は目の詰まったアッシュならではの雰囲気です。

 

 

 

 

 

 

一体なぜデザイナーの二人はアッシュを選んだのか。

 

良く観察してみると、アームが繋がる脚部が独特な三角柱のような形状になっているのが分かります。前後を繋げたレザーに腕を載せるとテンションが掛かり、フレームは中心に向けて引っ張られる形になります。

 

 

 

 

 

 

そのしなりを吸収できるように、フレームは上端のみが座面の中心から離れるように作られているのです。

アッシュ(タモ)は日本でも「たわむ」ことがその由来となるような、粘り強くしなる木材。

 

その他にも、背もたれの横につながった金具は背もたれの荷重とアームの荷重を相殺出来るようになっていたり、

三角の柱も「点」で受けた荷重を広い「面」で等しく分散して吸収できるように考えられて設計されています。

全てに理由があるデザイン。納得を超えた感動を感じます。

 

 

 

 

 

 

種類によってはやや青みを感じる事のあるアッシュ材ですが、こちらは温かなキツネ色。

ビンテージならではの経年を感じさせてくれます。

 

アームやシートのレザーは、今回ウレタン塗装を施した本革の「ニュースムース」に張り替え済み。

レザーの経年変化をこれから新しく楽しんでいける嬉しいコンディションです。

 

 

 

私たちがパッと一目で美しいと分かっても、デザイナーがその美しさを実現するためには試行錯誤の経験と、捉えた感覚を設計図に起こす「直感力」が必要不可欠。

 

そんな美しさのためのデザイナーの選択を感じられる銘品。お探しだった方は是非この機会をお見逃しなく。

 

 

 

 

 

 

 

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