Fritz Hansen

SWAN CHAIR

 

 

暑さが落ち着いてきたからか、よくトンボの姿を見かけるようになりました。アキアカネなんかは街中だとレアですが、オニヤンマなんかをみるとその大きさと機敏な動きにびっくりします。

見掛ける昆虫としては大きいからか、その張り詰めたシルエットにはよく目を奪われてしまいます。

 

インテリアのアイテムに関わらず、生き物の姿を取り入れた名デザインは多く存在します。有名なところだと新幹線のケースがあります。

 

先頭車両の形状はカワセミのくちばしを模した事でトンネルに進入する際の空気の抵抗が少なくなり、パンタグラフ(電気を受け取るところですね)はフクロウの羽の形状を模したことでより静かな音で走行できるようになったそうです(こういった学問はバイオミメティクスと呼ばれています)。

 

たた生きるための純粋な形。それは私たちの想像を超える美しさがありますね。

今回ご紹介するのはその美しさを己のフィルターを通して実現した、珠玉の1脚。

宜しければ最後までお付き合いください。

 

 

包むのか、覆うのか

 

 

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この椅子の名前はスワンチェア。

建築家・プロダクトデザイナーとして名匠と称えられるアルネ・ヤコブセンによってデザインされました。

 

ヤコブセンは1902年にデンマークはコペンハーゲン生まれ。才能を認められた絵画の腕を活かし、デンマークの王立芸術アカデミー建築科に進学し、同じくデンマーク出身の建築家カイ・フィスカーに師事しその技術を学んでいます。

 

 

 

 

 

 

カイ・フィスカーは建築家としての住宅プロジェクトの評価が多く、幾何学的でありながらもどこかほっとするような建築を多く残す機能主義における名匠。同門には同じくデンマークを代表するデザイナー、フィン・ユールも。

 

彫刻のような静かな美しさは、デンマークの建築家の血脈によって引き継がれていたと考えるとより歴史を深く感じられますね。

 

このスワンチェアはコペンハーゲンの中央駅そばに建設されたデンマーク初の高層ビル、SASロイヤルホテルのためにデザインされた1脚。

この建物自体がヤコブセンによる設計ですが、建築のみならず内部を彩るエレメントも数多く設計し、同時期に椅子だけでもエッグチェア、ポッドチェア、ドロップチェアやジラフチェアをデザインしています。

 

 

 

 

 

 

スワン。ご存じの通り白鳥を指す単語ですがヤコブセンはどのようなイメージをもってスワンチェアという名前を見ていたのでしょうか。

同時期にデザインされた椅子もそうですが、徹底した形態模写では無いのにかかわらず、その名前と実物を照らし合わせると「なるほど」と思ってしまう説得力があります。

 

 

 

 

 

 

ひとつながりのシート。湖面に静かにたたずむ白鳥の姿でしょうか。個人的には座面が白鳥の懐なのか背中なのかが気になります(笑)

 

1本脚のベースで支えられた姿は豊かな体躯を細い脚で支えている鳥類共通の緊張感を感じさせます。

 

 

 

 

 

 

曲線のみによって象られたシートですがよく観察してみると内側は柔らかく包み込む様に丸みがあり、外側は翼の先のようにややエッジをつけられています。腰が当たる部分には座った時に感じられるぐらいの僅かなふくらみがあり、フォルムの持つ優しさも相まってとても落ち着いた座り心地。

 

ヤコブセンがプロポ―ションからディティール、快適性まで何一つおろそかにしなかったのがよく分かります。

 

 

 

 

 

 

この形を可能にしたのは「硬質発泡ウレタン」という素材をフレームに吹き付ける当時として先進的な手法。(おおよそ1958年頃!)

家具のフォルムを木や金属といった決まった形の組み合わせでなく、一から作り出せるという自由な手法は制限の多い建築などと比べてイマジネーションを発揮させる良い環境だったのだと思います。

 

優れたデザインを実現させる技術を開発した事でアントチェア、セブンチェアに引き続き優れたラインナップを手に入れたフリッツハンセンは、ファニチャーファクトリーとして万全の体勢を整え、これらの近未来的とも言えるアイテムで彩られたSASロイヤルホテルは驚きをもって迎えられました。

 

2002年にはヤコブセンの生誕100年を記念したスイートルームが作られ、色味を統一した調度類が、今も私達を受け入れてくれます。

 

 

 

 

 

優れた才能と、デザインを具現化するための精力的なエネルギーを持ったヤコブセン。

様々なエピソードが残っており中には苛烈さを感じさせるものもあるのですが、作品として切り取られた中にはただ美しさがあるのみです。

 

戦時中には亡命先で植物の観察から水彩画のドローイングを嗜んだ時期があったとされていますが、その時キャンバスに向かう彼はどんな表情をしていたのでしょうか。ただ自分が見つけた「美しさ」を実現するためだけに一生懸命だったヤコブセン。そう考えるとひたすらに美に対して純粋であったと考える事も出来ます。

 

今回は気持ちの良いブルーのマハラム生地に張り替えておりますので、今後も気持ち良くお使い頂けるコンディション。

 

そこに佇むだけで言葉は要らない、そんな美しい「青い鳥」はいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

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