時代を超えて愛されるミッドセンチュリーファニチャー

 

 

 

”ミッドセンチュリー”と呼ばれる、1940~60年代に生まれた家具やインテリア。見るだけでワクワクするような自由かつ大胆なデザインは、新しいものに挑戦しようとするデザイナーたちの勢いがあって、とっても清々しいです。

 

改めて、ポップなデザインを象徴するミッドセンチュリー家具は、どこでどうやって生まれたのか。

その大きなターニングポイントとして、世界中に多大な影響をもたらした”第二次世界大戦”が挙げられます。

 

軍需産業が生み出した新素材の開発や加工技術の飛躍的な成長により、今までに無い自由な造形、更にはそれらの大量生産も可能に。戦勝国として豊かさを手にいれたアメリカは、経済的にも文化的にも発展を遂げ、家具やインテリアにおいては黄金期と呼ばれるようになります。

その盛り上がりは世界にも広がり、北欧からヨーロッパ、日本へと、今日まで愛され続ける名作が次々と生み出されました。

 

インプションが取り扱うアイテムの中でも、常にトップの人気を誇るミッドセンチュリー。どの時代にも通用する定番のスタイルとして、多くのインテリアファンを虜にしています。
この度ご縁あって、そんなミッドセンチュリー期に誕生した、イームズ夫妻やジョージ・ネルソンを始めとする計28点もの名作家具をお買取りさせて頂きました。
レジェンドデザイナーたちの名作が一堂に会する迫力たるや!見応え満点の集合写真と共にご紹介させて頂きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャールズ & レイ・イームズ|Charles & Ray Eames

 

 

 

 

ミッドセンチュリー期における工業系デザインの第一人者といっても過言ではない、チャールズ・イームズ。妻のレイ・イームズと共にハーマンミラー社にて様々なプロダクトを輩出しました。

 

ニューヨーク近代美術館MoMAにて永久収蔵品となったイームズラウンジは彼らのアイコン的存在です。1940年代に海軍からの依頼でレッグスプリントなどを手掛けたのをきっかけにプライウッド製品を開発し、戦後にはFRPを駆使し一連のシェルチェアを手掛けています。

 

シェルチェアは当時量産家具の走りとして、配色やオーガニックなデザイン、シーンによって選べるベースが人気を博しましたが、今やデザイナーズ家具の代名詞として家庭用から企業まで幅広いシーンで活躍しています。

 

 

① Herman Miller La Fonda Shell Chair Alexander Girard Fabric

② Zenith Herman Miller 1st Vintage Arm Shell Chair X Base

③ Herman Miller 2nd Vintage Side Shell Chair Eiffel Base Cadmium Green

④ Herman Miller 2nd Vintage Side Shell Chair Eiffel Base Terracotta

⑤ Herman Miller 2nd Vintage Side Shell Chair Eiffel Base Ochre Dark?

⑥ MODERNICA Side Shell Chair Eiffel Base Celery

 

 

 

ラフォンダチェア

 

1961年、La Fonda Del Sol(ラ・フォンダ・デル・ソル)というマンハッタンのレストランの為にデザインされた、その名もラフォンダチェア。約4年前に一度だけ入荷していますが、今回念願叶って再び取り扱うことが出来ました。ハーマンミラーのビンテージシェルに、ファブリックにはジラルドデザインのマハラム社「ジェイコブスコート生地(マルチカラー)」を採用。定番のシェルチェアとは異なるベースとともに、レトロな華やかさをお楽しみ頂けます。

 

1stビンテージ シェルチェア

 

シェルの製造がゼニスプラスチック社で行われていた時代から、ハーマンミラー社に移行した直後の1953から55年までという僅か2年ほどしか製造されなかった、ファーストのアームシェルチェアも一脚入荷しております。縁にロープを忍ばせて補強する「ロープエッジ」、シェルとベースを繋ぐショックマウントのサイズが現行品よりも大きい「ラージマウント」、パイプ状ではなく中身の詰まった鋳物の「Xベース」仕様。経年による色ヤケがございますが、当時のWネームステッカーもなんとか残っており、ビンテージならではの雰囲気を存分にお楽しみ頂けるコレクタブルな一脚です。

 

 

⑦ Herman Miller LCM Lounge Chair

⑧ Vitra LCW Lounge Chair Cowhide Special Edition 2002

 

 

⑨ Karimoku60 K Chair Ray Eames Fabric

⑩ Herman Miller Eames Coffee Table

 

 

Kチェア(イームズファブリック張り)

 

国内でも人気のカリモク60のKチェアに、レイ・イームズデザインのドットファブリックが張られた、ミッドセンチュリー好きにはたまらない組み合わせ。詳細は分かりかねますが、スタッフ間でも「初めて見る」と話題になった珍しい一脚です。

 

 

⑪ Vitra Aluminum Group Management Chair Low Back

⑫ Herman Miller Aluminum Group Management Chair Low Back

⑬ Herman Miller  Soft Pad Group Management Chair Low Back Hella Jongerius Fabric Special Edition

⑭ Herman Miller  Soft Pad Group Exective Chair High Back

 


ヘラ・ヨンゲリウス 特別モデル

 

アルミナムグループチェアのいとこのような外観で、柔らかいクッションが付いたソフトパッドグループチェア。この可愛らしいファブリックはマハラム社によるもので、オランダ人デザイナーのヘラ・ヨンゲリウスがデザインしたパターンを採用しています。ヴィトラ製品のカラーディレクションを担当している他、先日同じく大量入荷したアルテックのスツール60に新たなカラーパターンを加えるなど、女性ならではの優しく愛らしい色彩が魅力的です。
こちらは2017年にハーマンミラー社にて行われたマハラム社ラグ&カーテンの新作発表イベントの際、特別に作られたイームズ家具のひとつ。発色の良いレッドカラーに、ブドウ畑をモチーフにしたドット柄ステッチのLayres Vineyard Small(レイヤー・ヴィンヤード・スモール)と、ホワイトフィニッシュのアルミナムフレームが美しいコントラストとなっている1脚。通常ではオーダーでしか作ることの出来ない特別なモデルとなっております。

 

ヴィトラ社製 海外モデル

 

ヨーロッパでの生産ライセンスを持つ、ヴィトラ社製のアルミナムグループチェア。日本ではハーマンミラー社がライセンスを持っている為、国内では手に入れることの出来ない仕様となります。抜群の安定感を持つキャスターレスの4本脚が採用された脚部と、上品さを醸し出すえんじ色の滑らかなレザーシート。現在メーカーサイトでは、ブラック・グラファイト・アイボリーとベーシックなカラーの展開しかないようですので、彩りをプラスするカラーはオフィスシーンのみならず、ホームユースにもお勧めです。

 

 

 

 

 

ジョージ・ネルソン|George Nelson

 

 

 

① Herman Miller Steel frame Chest

② Herman Miller Steel frame Desk

③ Vitra Nelson Swag Leg Desk

④ ICF × De Padova DAF Swivel Chair Contract Base Vintage

 

 

バブルランプやネルソンクロック、マシュマロソファなど、人々の記憶に残る名作を次々と発表したプロダクトデザイナーでありながら、実は優秀なビジネスマンでもあったジョージ・ネルソン。デザイナーの他、デザインディレクター、建築家、雑誌編集者、教師など多方面でマルチな才能を発揮しました。

 

ハーマンミラー社では20年に渡りデザインディレクターを務め、当時はまだ無名だったイームズ夫妻やイサムノグチの才能を見出し、開花させた人物としても知られています。ネルソン無くしてイームズ夫妻無しと言っても過言ではない、USミッドセンチュリーブームの立役者的存在なのです。

 

 

 

 

スチールフレーム デスク&チェスト

 

1950年代、ハーマンミラー社より販売されていたスチールフレームシリーズ。僅か10年程の短期間で60年代には生産を終了し、その後一度も正規復刻されること無く、年々希少価値が上がっています。インプションでは、数年前に一度だけ396 MODERN PALMSというメーカー(現在は廃業)のリプロダクト品が入荷しましたが、オリジナルのビンテージモデルは初めてとなります。リペイントを施して販売しているショップもあるようですが、こちらは特に手を加えることなく、オリジナルのままをお楽しみ頂けるコンディションです。チェストには、当時のメーカープレートもしっかりと残っております。(デスクのメダリオンは剥がれているようです。)

 

DAFスウィベルチェア

 

彫刻のような美しい造形のDAF。イームズ夫妻が開発した成型プラスチックの加工技術を基に完成された形なのだそう。よく見かける組み合わせといえばスワッグレッグベースの仕様ですが、こちらはコントラストベースが採用された希少なビンテージアイテムです。

 

 

① Vitra Graphic Print Pillows Snake Feather Cushion

② Vitra Graphic Print Pillows Retrospective Repeat Feather Cushion

 

 

ハーマンミラー社のテキスタイル部門初代デザインディレクターとして活躍した、アレキサンダー・ジラルド。ジラルドの就任もまた、元々親交のあったネルソンが手助けをしたといわれています。原色と幾何学模様、そして遊び心のあるデザインが人気を集めており、今回は先ほどご紹介したラフォンダチェアの他に、ビッグサイズのクッションも2点入荷致しました。

 

 

 

 

 

イサム・ノグチ|Isamu Noguchi

 

 

 

 

① Knoll Cyclone End Table White (Back Right)

② MODERNICA Cyclone End Table Natural (Left)

③ Vitra Prismatic Table (Front Right)

 

 

日系アメリカ人アーティストで世界的彫刻家である、イサム・ノグチ。彫刻家だけにとどまらず、画家、造園家、舞台美術家、工業デザイナーなど幅広い分野で活躍しました。

 

東洋と西洋二つの文化を知る氏ならではの作品づくりで知られており、中でも光の彫刻といわれる代表作のアカリは、近年人気の余り生産が追い付かず常に入手困難な状況が続いているそうです。

 

 

プリズマティックテーブル

 

日本の折り紙に着想を得て1957年にデザインされた、幾何学的なフォルムが特徴のサイドテーブル。氏の最後の家具作品として、ヴィトラ社から製品化されましたが、一度生産を終了。2023年に再生産がスタートしていますが、グレーを基調としたカラーパターンでの展開となり、単色のホワイトカラーは廃番となっております。

 

 

 

 

 

ハリー・ベルトイア|Harry Bertoia

 

 

 

① Knoll Diamond Chair

② Knoll Diamond Chair With Seat Pad

 

 

彫刻家でありながらインパクトのある名作椅子を世に残した、ハリー・ベルトイア。金属彫刻家という側面を持つ一方、ジュエリー製作からグラフィックデザイン、果ては音響彫刻まで幅広く手掛けています。

 

ベルトイアの名を聞くと、ついつい数多の名作家具をデザインした人物を想像してしますが、生涯でデザインした家具はノル社に提供したわずか数点のみ。デザイナーである前に1人の芸術家であったことを感じさせられます。

 

 

ダイヤモンドチェア

 

ベルトイア自身が「空気と鋼の彫刻」と言い表している通り、強靭な造りながらも輪郭を与えたような軽やかな佇まいのダイヤモンドチェア。人間工学に基づいたカーブラインを描くワイヤーフレームが、見た目以上の寛ぎを与えてくれる傑作です。あらゆる角度から見て美しいフレームは彼が彫刻家であったことで頷ける部分ですね。

 

 

 

 

その他( Verner Panton & Jean Prouve )

 

 

 

① Vitra Heart Cone Chair

 

① Vitra cite Lounge Chair

② Vitra Standard Chair Pink

 

 

ここまではアメリカを代表するデザイナーやそのメーカーをご紹介してきましたが、同時期に活躍したデンマークからはVerner Panton(ヴェルナー・パントン)、フランスからはJean Prouve(ジャン・プルーヴェ)のアイテムもいくつか入荷致しました。

 

ハートコーンチェア

北欧デザイン界の”異端児”と評される、Verner Panton(ヴェルナー・パントン)。1967年に発表された世界初のプラスチック一体成型の椅子として知られるパントンチェアを始め、家具の概念を覆すような独自のスタイルで新たな時代を切り開いていきました。ハートコーンチェアは、その名の通り、ハート型のフォルムがアイコニックな一脚。オリジナルは1959年に発表されていますが、こちらは2004年にヴィトラ社より復刻されたモデルです。

 

スタンダードチェア

建築家やデザイナー、エンジニアなど様々な顔を持つ、Jean Prouve(ジャン・プルーヴェ)。1934年にフランスのナンシー大学都市のコンペティションをきっかけに生まれたスタンダードチェアですが、こちらは2002年にヴィトラ社より復刻されたモデル。背座にダークブラウンのオーク材、脚部にビビッドなピンクをペイントした復刻品ならではのカラーリングといえます。現在は販売していないカラーのようで、中古市場でもほとんど流通していない大変希少な一脚です。

 

シテ ラウンジチェア

1930年に発表されたCite Lounge Chair。大学寮のために作られたというところも驚きですが、29歳という若さでこのデザインを生み出してしまうのですからすごいことです。フレームのくぼみにレザーテープが回り、アーム部のみフレームから解放されて、たわみのあるアームレストを形成しているこのアイデアには脱帽です。

 

 

 

 

 

 

 

最後に

 

 

 

 

 

アートは、ファッションは、「時代を映す鏡」とよく表現されますが、家具もまた同じことが言えるのではないでしょうか。

 

第二次世界大戦後のアメリカで広まったデザインムーブメントは、明るい未来を想像させるポップな時代を象徴するものでした。

いつ見ても新鮮さを失わず、キャッチーなフォルムとカラーの刺激的な一面を持ちながら、現代の人々にとっては古き良き時代特有の空気を纏う、どこかノスタルジックな一面にも魅力を感じるのでしょう。

 

“ミッドセンチュリー”と一括りに言ってもテイストは様々。アメリカ以外にも北欧からヨーロッパ、日本まで時代を彩る名作家具が多数存在します。

 

個性が強いもの同士はレイアウトのハードルが上がるようにも思いますが、ミッドセンチュリー家具の面白いところは、異国のメーカーやデザイナーをミックスさせても不思議と違和感なくコーディネート出来る自由度の高さ。

 

今回は、定番の現行品から特別な限定品、初期のビンテージプロダクトまで、USミッドセンチュリーを中心にご紹介させて頂きました。

ここまでの数を一度にご紹介出来る機会はなかなか無いので、ずっと探していた方も、今回初めて知った方でも、お気に入りの一点に出会えるチャンスかもしれません。

 

 

*各店舗に振り分けて販売しておりますので、商品の在庫状況や詳細につきましては担当店舗に直接お電話下さいませ。

*ミッドセンチュリー家具は、画像以外にも色々在庫がございます。下記をクリックしていただければ現在入荷分の一覧をご覧頂けます。

 

 

 

 

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