アトリエのアアルト 1945年
Aalto in his studio, 1945 ©Alvar Aalto Museum photo: Eino Makinen

 

 

「アルヴァ・アアルト——もうひとつの自然」開催

 

 

神奈川県三浦郡葉山町。

葉山御用邸があり、別荘地として知られているこの場所に、一色海岸を臨む美術館があります。神奈川県立近代美術館の3番目の建物、葉山館です。

今回はこちらの美術館の開館15周年記念企画として「アルヴァ・アアルト——もうひとつの自然」が開催されていますので、ご紹介いたします。

 

 

 

フィンランドデザインの巨匠、アルヴァ・アアルト

 

 

アルヴァ・アアルト《ルイ・カレ邸》リビング・ルーム 1956-1959年 バゾシュ=シュル=ギヨンヌ(フランス)
Living Room, Maison Louis Carré, Bazoches-sur-Guyonne, France, Alvar Aalto, 1956-1959
©Alvar Aalto Museum photo: Heikki Havas

 

1898年にフィンランドの中西部、クオルタネで生を受けたアアルトは、妻のアイノと共に革新的な構造や技術を駆使し、有機的なデザインのプロダクトを多数生み出しました。北欧原産のバーチ材で作られる「L – レッグ」と呼ばれる曲木の技法は数々の家具に生かされ、親しみやすい素朴な質感とモダンな構造を持ち合わせた唯一無二の存在として、今日も世界中で愛されています。

 

 

アルヴァ・アアルト《スツール 60》1933年
Stool 60, Alvar Aalto, 1933
©Vitra Design Museum photo: Jürgen Hans

 

 

アルヴァ・アアルト《ティー・トロリー 900》1937年
Tea Trolley No 900, Alvar Aalto, 1937
©Vitra Design Museum photo: Jürgen Hans

 

従来アアルトのイメージの源として、フィンランドの自然や風景が取り上げられることが多くなっていましたが、今回はそれに加えて同時代活躍していた芸術家たちとの対話にも注目されています。

 

インプションでも取り扱いのあった406アームチェアは「ラメラ仕上げ」というアアルトが開発した独自の曲げ木の技法を使い、堅固なバーチ材を使いながらも、腰掛ける人を優しく受け止める柔軟性のある構造が特徴の作品となっています。素材はナチュラルであっても使用する技術は常に革新的で、その技術を生かしたモダンなデザインや、アルテックのマニュフェストを読むと分かるブランディングからは、芸術家である以上に実業家としての才能が感じられます。

 

 

 

 

インプションでも度々取り扱っているアアルトのアイテム。アアルト・ベース、Aallon kukkaプレート、スツール60、Y61スツール、64ハイスツール、153Bベンチ、63、65、69チェア、46アームチェア、80、82Aテーブル、Y805Bサイドテーブル、A331ペンダントビーハイブなどなど、伝統的な家具の再解釈、自然との対話、当時の最先端技術による新しい価値の提案と幅広く、新しく、親しみやすくて美しいアイテムは日本でも大人気。

 

 

 

 

こちらの展覧会はヴィトラ・デザイン・ミュージアムとアルヴァ・アアルト美術館により企画された国際巡回展となり、これまでドイツのヴィトラ・デザイン・ミュージアム、スペインのバルセロナ、マドリード、デンマークのオールボー、フィンランドのヘルシンキ、フランスのパリで開催されてきました。

日本での回顧展は約20年ぶりとなり、オリジナルの図面や家具、照明器具、ガラス器、建築模型など約300点によってアアルトの作品、生涯に迫ります。

 

 

アルヴァ・アアルト《ニューヨーク万国博覧会フィンランド館》1939年
Finnish pavilion, World’s Fair, New York, 1939
©Alvar Aalto Museum, Esto Photographics photo: Ezra Stoller/ Esto Photographics Inc.

 

 

 

明るい太陽光と、海へと続く景観が美しいこの美術館は、光をふんだんに取り入れるフィンランドの建築とどこか通づるものを感じます。

今回の展覧会のみ設置された、アルテックとイッタラの協力による特設コーナー「アアルト ルーム」には大きな窓があり、アルテックのチェアに腰掛けながら海岸を眺めることが出来ます。

 

 

神奈川県立近代美術館「アルヴァ・アアルト——もうひとつの自然」より「アアルト ルーム」

 

 

今まで触れることのなかったアアルトの生涯についての見識を深め、最後に特設コーナー「アアルト ルーム」。記事を書く前に行かせていただきましたが、展覧会前半の情報量と「アアルト ルーム」の楽しさがどちらも満足度の高い内容になっております。

 

コチラの展覧会は名古屋市美術館、東京ステーションギャラリー、青森県立美術館と巡回するそうですが、個人的に、神奈川県立近代美術館 葉山での会期中に足を運びたいな、と思っています。

 

アアルトの光さす空間のためのデザインストーリーを、ぜひご堪能下さいませ。

 

 

展覧会情報

会場: 神奈川県立近代美術館 葉山

会期: 2018年9月15日(土)-2018年11月25日(日)

開館時間: 9:30 – 17:00 ※入館は閉館30分前まで

休館日: 月曜日(9月17日、9月24日、10月8日は開館)

観覧料: 一般1200円 20歳未満/大学生1050円 高校生100円

 

 

詳細は » 「アルヴァ・アアルト——もうひとつの自然」 のページでご確認いただけます。

 

 

 

 

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